【会話ブログ】いつでもあるものも悪くないわね
「春の食べものと言ったら何が有名だろうな?」
「あら、何かしら、突然、気持ち悪いわね。何でも好きなものを食べたら良いじゃないの」
「いや、あくまで春の食べものを訊いてるんだぞ。春野菜とか、春が旬の魚とか、色々あるじゃないか」
「あらそう。でも養殖だのビニールハウスだの冷凍保存だので一年中何でも食べられるじゃないの。要するに春に食べたものは全て春の食べものなんじゃないかしら」
「なるほど……まぁ確かに季節感がないというか、何でも一年中売ってるのかもしれないけど……でも四季があるのが日本の良いところだと思うし、そういうのはいつまでも大切にした方が良いんじゃないか?」
「しつこいわね。ただでさえ春と秋が無くなりつつあるなどと言われているし、そのうち冬だって30℃くらいになるかもしれないわよ。そうなったら四季というより人間と地球の死期が近いんじゃないかしら」
「温暖化がこのまま進むのか止まるのか分からないけど、冬で30℃になったら夏は地獄だな……って、あくまで今の春の食べものを考えてくれれば良いんだぞ!」
「うるさいわね。早速ツッコミが真夏のように暑苦しくなっているから気をつけてちょうだい。私は興味が無いけれど、サクラ味の食べものがたくさん登場するんじゃないかしら?」
「そうだな、スイーツの風味とか、飲みものもサクラ風味とかサクラ味の品物が登場するな。いかにも春ってカンジがするからな」
「あらそう。サクラ好きの国民が何だか浮かれて盛り上がっているどさくさを利用しないと売れない程度の味なんでしょうね。本当に美味しければ一年中売られるでしょうからね」
「まぁ確かにサクラは見るものであって、無理やり味わわなくても良いとは僕も思うけど……でも中には楽しみにしてる人もいるんじゃないかな」
「ええ、そうね。人間の味覚は人それぞれ違うものね。サクラだけ食べ続けたいと思っている人には辛い季節でしょうね」
「え?逆じゃないのか?ようやくサクラ風味をたくさん食べられるじゃないか」
「あら、一年かけてようやくサクラの事を忘れて普通に暮らしていたのに、またサクラの事を思い出す季節になってしまったじゃないの。こんな事ならあの時私も一緒に死んでしまえば良かった、と涙を流すんでしょうね。サクラが散る前に涙を散らして、でも自分の命だけが散らない事を悲しむのよ」
「……いつの間にか昔死んだ元彼を忘れられない女性の物語みたいになってるな……と、とにかく、春と言えば新じゃがもあるぞ。それはお前には嬉しいんじゃないか?」
「ええ、そうね。今年もたくさんのジャガイモが私に食べられるために掘り起こされるんでしょうね。いよいよ今年こそ呪われるんじゃないかしら」
「まぁそうならないように願うばかりだけど……それはそうと、新じゃがで何か想い出とかってないのか?」
「さぁ、どうかしらね。てっきり春にしか採れないと思っていたジャガイモが、実は秋にも採れる事を知った時の衝撃が想い出かしら。それなのに春のジャガイモだけが新じゃがを名乗る事を許されて、秋の新じゃがの信者がショックで死んじゃわないか信者が賑わっているわよ」
「途中から何を言ってるのかよく分からないけど、なるほど、ジャガイモは秋にも収穫出来るんだな。でもやっぱりお前にとって春の食べものと言えば新じゃがってカンジか?」
「ええ、そうね。新じゃがの話をするのは楽しいものね」
「なるほど。食べずに話すだけでも楽しめるってのは余程好きな証拠だろうな」
「違うわよ。信者と話すのは楽しい、って言ったの。って、何を言わせるのかしら、みっともないわね」
「うっ、そっか。僕と話すのが楽しいって言ってくれてたんだな。まぁ確かに僕はお前の信者みたいなものだからな。楽しんでくれてるなら凄く嬉しいぞ」
「あらそう。でも春だけの話だったんじゃないかしら。他の季節は近寄らないでちょうだい」
「全く素直じゃない!」

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2015-04-04 │ ミッキー+ミニー │ コメント : 63 │ トラックバック : 0 │ Edit