【会話ブログ】人類皆家族なんて不気味な事は言わないけれど
「そういえば家族と僕の話ってしたりするのか?」
「あら、どういう事かしら?」
「いや、両親と恋愛に関する話ってするのかな、と思ってさ」
「あらそう。あなたの話なのかと思ったら恋愛の話だったのね。どちらかよく分からないわね。それとも今日から恋愛アドバイザーでも始めたのかしら?相当上手い具合に責任逃れが出来る話術を身につけないと損害賠償だけでお店がすぐに潰れてしまうわよ」
「いや、人の恋愛相談に乗れるような経験なんて僕には無いぞ。っていうか何だかまるで詐欺師みたいな言い方じゃないか」
「あら、そんな事は無いわよ。恋愛の相談も経済の相談も法律の相談も、過去の事例をいくつか提示して、後は本人に考えさせるというのが定番じゃないの。こちらから提示してしまうと失敗した時に責任を取らされてしまうものね。それを詐欺というなら、悩み事を解決してお金を取る仕事全てが詐欺よ。実は悩み事なんて全て相談者が自分一人で解決策を見つけるものだものね」
「そんな事を言ったらアドバイザーとかは全く必要なくなっちゃうじゃないか!そんな事も無いと思うぞ!ちゃんと解決への手順とかを説明してくれるところも多いはずだぞ!」
「うるさいわね。一つ一つ手順通りに細かくツッコんだりして、私の価値観を正しい方向へ導こうとしているのかしら?そんな事をされるたびにどんどん逆の発想に至ってしまう相談者という事を知らないのかしら、腹立たしいわね」
「いや、逆の事をするんじゃ相談に来てる意味がないじゃないか。っていうか僕はツッコんでるだけで、お前の考えをどうこうしようって思ってるわけではないぞ」
「うるさいわね。冗談を言っているだけだから真面目に答えないでちょうだい。私が言っているのは何もかも冗談だもの。というより冗談でも言わないと話す事なんて何も無いものね」
「こら!冗談なんて言わなくてもいつもかなり会話が弾んでるはずだぞ!聞き捨てならないぞ!」
「うるさいわね。だから冗談だと言っているじゃないの。何を興奮しているのかしら」
「あ、そっか。冗談がないと会話が弾まない、って言葉もまた冗談だったわけだな。何とも分かりにくいというか、僕にはちょっと高度過ぎるぞ」
「あらそう。何を納得したのか分からないけれど、今のも冗談よ」
「いや、もう僕にはどっちの意味で捉えたら良いのか追い切れないカンジだぞ……」
「何をごにょごにょ入学直後の自己紹介なんて適当で良いだろうと思って【結構たくさん漫画を読んできたので詳しいです】と、あながち嘘ではない事を言ったところ、すっかり漫画博士扱いをされるようになって、全く知らない作品の感想などについて大勢から訊かれ続けるハメになってしまった男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。それで結局今日は一体何の話なのかしら?話題が冗談みたいに変わってしまって何が何だかさっぱり分からないわ」
「そ、そうだな。僕はお前が家族と恋愛の話をするのかどうか訊いてただけなんだぞ。どうなんだ?僕の事を家族と話したりするのか?」
「ええ、そうね。あなたの事しか話さないんじゃないかしら。あなたがもう嫌だから仕方がないわね」
「ちょ、ちょっと待った!どうすれば僕と上手に別れられるか、みたいな事を両親に相談してるのか!?」
「違うわよ。あなたの親だから仕方がない、って言ったの。他に共通の話題なんて無いものね」
「えっ?僕の両親じゃなくてお前の両親との話だぞ?っていうか僕の両親と話をする機会なんて今までほとんどなかったじゃないか」
「…………ええ、そうね。冗談だもの」
「いや、だから冗談で話されると……っていうか今の言い方って、全部冗談じゃなかったんじゃないだろうな?」
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2014-10-04 │ ミッキー+ミニー │ コメント : 5 │ トラックバック : 0 │ Edit