ブログネタ:ドキドキするくらい好きになった芸能人いる? 参加中
「アイドルのコンサートとか握手会とかってスゴイ人気だな」
「あらそう。良かったわね」
「いや、僕は特に行ったりしないから何とも言えないけどさ」
「あらそう。良かったわね」
「いや、何が良いのかよく分からないぞ。何だか映像で観てると結構楽しそうじゃないか」
「あらそう。良かったわね」
「うーん、まぁ思い切り盛り上がって、好きな人を近くで応援するってのは楽しいんだろうな」
「あらそう。良かったわね」
「……どうも適当に答えてるような気がするな……」
「あらそう。良かったわね」
「こら!全然良くないぞ!ちゃんと会話して欲しいぞ!」
「うるさいわね。まだ5回しか返事していないじゃないの。一日に数千人もの人が握手をしに来るんだから、ずっと同じ事を言ってやり過ごすしか方法が無いのよ」
「おい、お前と会話してるのは僕だけだぞ。っていうか実際にお前が握手会に参加したとしても、数千回その返事だけでやり過ごせるとはとても思えないんだけどな……」
「あら、そうかしら。【塩対応】などと言って人気が出るアイドルもいるじゃないの。言葉を言い換えれば【態度が悪い】だけなのに、言葉の魔術というのは簡単に人を騙す力があるわね」
「なるほど。という事は逆に今のお前みたいに、悪い印象を与える意味で人を騙す事も簡単なわけか」
「ええ、そうね。要するに愛想が良いアイドルを【神対応】などと呼んでいるけれど、言い換えれば【媚を売っている】とか【全く本音をファンに見せない】みたいな言葉になってしまうんじゃないかしら。だから先程の私も【適当】ではなくて、あくまで【フライドポテト対応】をしているのよ」
「適当って言っちゃったら台無しって気がするけど……それにフライドポテトが同じ言葉を繰り返す事とどう関係があるんだ?」
「あら、何本も同じ形のフライドポテトが並んでいるイメージよ。どこから食べても全く同じ味だから、いつどのタイミングで握手に来ても全く同じ状態のアイドルと会えるわよ」
「うーん、いくら【塩対応】って言っても、一応会話のやり取りがあるからこそ喜ばれてるんだと思うぞ。同じ返事じゃやっぱりファンを獲得するのは難しいんじゃないか?」
「うるさいわね。そんなのファンが気を使って【好きな食べものは何ですか】とか【塩があったら何を食べますか】とか訊けば良いのよ」
「【あらそう。良かったわね】じゃなくて、ホントに【フライドポテト】しか言わない事になっちゃってるぞ!?」
「うるさいわね。流石に日によって繰り返す言葉くらいは変わるに決まってるじゃないの。ファンも今日はどの言葉を繰り返すつもりなのか楽しみにするようになるんじゃないかしら」
「まぁどんな形のアイドルの人気が出ても不思議じゃない世の中だからな……似たような事をするアイドルが出てくる可能性もあるかもな。って、それはそうと、お前は誰か好きになったアイドルとかっているのか?」
「あら、どういう事かしら?」
「いや、曲を聴くだけじゃなくて、テレビとか雑誌とかで見るだけでドキドキしたり、ホントに好きでたまらない、みたいな状態になった人っているのかな、と思ってさ」
「あらそう。そういう質問をするという事は、一般人がアイドルの本性を知らないのと同じくらいあなたは私の事を理解していないんでしょうね。本来ならば言わなくても分かるんじゃないかしら」
「うっ、まぁ確かにお前が誰かに対してそんな感情になるなんてとても想像出来ないけど……じゃぁ今までにドキドキするほど好きになったアイドルは一人もいない、ってのが正解か?」
「あら、不正解に決まってるじゃないの。残念だったわね」
「ええっ!?そうなのか!?一体誰なんだ!?」
「しつこいわね。普通はこんなにアイドル側がファンに質問したりしないんじゃないかしら」

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